丹波焼に用いられている釉薬(うわぐすり)にはさまざまな種類がありますが、その主なものについて概説します。
自然釉(ビードロ釉)
穴窯時代は無釉で、焼成過程において燃料の松灰と原土中の鉄分とが融合して、緑色や鳶(とび)色を自然発色しました。これが自然釉といわれるもので、穴窯時代丹波焼の特徴となっております。
灰釉(はいぐすり)
登り窯時代に入って、自然釉にヒントを得た人工釉が考案されました。これが木灰釉で、これと黄土を調合して作った釉薬も用いられました。その後ワラ灰・モミガラ灰・栗のイガ灰・竹の葉灰などさまざまなものが使用され、現在も灰釉は丹波焼の代表的な釉薬とされています。
赤土部釉(あかどべゆう)
土部釉は、もともと製品の水漏れ防止のために用いられていましたが、焼成過程において朱赤色や紫赤色に変化することから赤土部釉とよばれ、江戸時代初期丹波焼を代表する釉薬として壺や山椒壺などに盛んに用いられました。釉薬の濃淡や焼成具合によって、狐色のほか、栗皮色などさまざまな色に発色する特色のある釉薬です。
飴黒(あめぐろ)(石黒釉)
飴黒は、マンガン成分を多量に含んだ黒石を砕いて作った釉薬で、鉄分の多い灰釉も焼成によってはこれに近い色がでますが、灰釉の黒よりも漆黒で光沢があります。
白釉(はくゆう)
白土部ともいえる白土を水に溶かして作った白泥の釉薬で、江戸時代後期に使われはじめ、化粧用のうわぐすりに用いられたほか、筒描きやイッチン描きによる文字や絵の白描きとしても使用されました。
土灰釉(どばいゆう)
江戸時代末期ごろから使用されはじめた釉薬で、雑木の灰をアク抜きした後、水簸して使用します。
キマチ・マンガン
現在よく使われる釉薬にキマチとマンガンがあります。従前に大量生産されてきた硫酸ビンや甕類によく用いられたのがこのキマチ釉で、マンガンを用いた黒釉は、鉢や壺の流し掛けに用いられます。
自然釉四耳壷
赤土部釉葉型壷
石黒釉土瓶
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